堂宮大工 内田工務店 棟梁のブログ

稲荷社覆屋完成

中川君と小金君が残業で頑張っていた稲荷社覆屋が完成しました。


石の上に胴を据付ます。


屋根を載せて木工事終了。


虹梁・頭貫と木鼻はもちろん作り出しです。

また、胴から斗栱までは欅材で、一本の欅から共木で木取りました。


板金屋さんが銅板を葺いて完成です。

また一つ、良い作品ができました。


軒付は一段ですが、扇に割付されているのが解りますか？


綺麗に仕上がりました。

中川君、小金君お疲れ様でした。

また、若い子に付き添って指導をしてくれた山本君、お疲れ様でした。

内田工務店の若い子も徐々に成長してきております。

工場では、

工場では、妙誠寺様の本堂新築工事の加工が進んでいます。

久しぶりなので、まとめてアップです。

大斗の墨付です。


向拝の肘木に大面取ですが、身舎の肘木には面がないんです。

宮大工さんでも、この理由が解る人は限られているんじゃないでしょうか。


そして、巻斗、方斗、間斗の加工です。


横切盤を駆使して、作業効率を上げています。


平三斗は、友木で木取りしています。


解りますか？


中川君は、化粧垂木の加工を任されて、垂木の曲面加工に入りました。


危ないので、保護メガネ着用です。


平が終ると、加弓のある配付垂木の加工です。


縦軸の軸を傾斜させて、効率よく加工しています。

最後に、頭貫の加工です。


頭貫には、隅延がありますので、その分、上端・下端に反りがつきます。

当然その分隅柱の長さも長くなります。

中世までは当たり前の仕事ですが、江戸時代以降は見られない工法です。

構造現場見学会のご報告

１７日（土）、１８日4（日）には、伊勢原市岡崎に建築中の大句の家の構造現場見学会を開催しました。

両日ともに、多くのお客様にご来場いただきました。


皆さん、「すご～い」、「木の香りがするね～」、「立派な材木だね～」とおっしゃっていました。

本物の木のぬくもりを肌で感じて頂けたのではないでしょうか？

完成現場見学会は、４月中旬に行う予定です。

是非ご来場くださいませ。

構造現場見学会のお知らせ

今週末に「大句の家」構造現場見学会を行います。

大句の住宅地に「むくり」屋根の家を建てています。
国産の木材のみを使い宮大工の技で建てる、強く美しく、何よりも安心で安全な住宅です。私たちの仕事をぜひ現場でご覧ください。

日時　１月１７日（土）、１８日（日）　10：00～16：00
住所　伊勢原市岡崎５２６０番地
「土壁工房」の捨て看板を目印にお越しください。
当日連絡先　090-2446-0461（内田）

伝統建築技能研修

１２日（月）、１３日（火）に、日本伝統建築技術保存会の伝統建築技能研修（後期）が行われました。

今回で、一年間続いた後期研修の最終日となり、理事の私は、研修のお手伝いに行きました。

全国から２０名の伝統建築をされている大工、宮大工が研修に来ています。

最終回ですので、模型の提出の為、模型の組立て作業です。


各自制作した模型の後ろに立ち、持田武夫先生と記念撮影です。


最終日は、終了考査です。皆さん真剣ですね～。

終了考査に合格された方には、認定書が後日送付されます。

皆様、一年間お疲れ様でした。

新年の文化財探訪 その3

新年の文化財探訪の続きです。

佛性寺本堂です。

天正１３年（１５８５年）建立の八角円堂は、重要文化財に指定されています。

東日本大震災で被災し、解体修理が終わったばかりです。


床下には、耐震補強がされたようです。

続いて、薬王院に向いました。


薬王院仁王門です。

貞享年間（１６８４年～１６８８年）に建立された仁王門は、県指定文化財です。


薬王院本堂は、享禄２年（１５２９年）建立で、重要文化財に指定されています。

本堂も伽藍もとても大きな寺院です。

写真の山口さんと比較すると本堂の大きさがわかると思います。

禅宗様との折衷がされております。



軒もかなり深いです。

続いて、水戸八幡宮に向います。


正月ということもあり、かなりの賑わいでした。


水戸八幡宮本殿です。

慶長３年（１５９８年）建立で、重要文化財に指定されています。

桃山時代なので、装飾的ですね。

続いて、文化財ではありませんが、近くの偕楽園に向いました。

偕楽園　好文邸は昭和の復元です。

こちらの待合はちょっと田舎くさいですが、なかなかですね～。

以上、新年の文化財探訪でした。

垂木の加弓

垂木の加工の続きです。

社寺建築では、軒反りがるので、隅に近ければ近いほど、垂木に加弓がつきます。

加弓とは、菱形になった時の癖のことです。

バンドソーで菱形に荒挽です。


荒挽が終った地垂木です。

隅より４番、５番の地垂木ですね。

荒挽の後は、曲面加工です。

丸柱

工場では、妙誠寺の　丸柱を広げて、番付をふっています。


材料の良し悪しを把握し、最良の場所に振り分けていきます。

材料とにらめっこしてると、自ずと使う場所が決まるものです。

八角形の材料から、


このように丸柱ができます。

地垂木

工場では、中川君が地垂木の加工です。

本堂の垂木の加工を一人で任されております。

厚みは決まったので、バンドソーで上端・下端を製材しています。


製材が終れば曲面加工が残っています。

今月いっぱいは垂木の加工が続きそうです。

居定があるので、手間は数倍かかりますが、仕上がりは全く違いますからね。

いい仕事すれば、当然手間もかかります。

新年の文化財探訪 その２

地蔵院・綱神社の後は、圓通寺に向いました。


圓通寺表門です。

応永９年（1402）建立で、重要文化財に指定されています。

全国的に類例の少ない禅宗様（唐様）の四脚門です。

棟木の架構に特徴がありますね。

手間かかってますね～。


妻の海老虹梁と実肘木・巻斗の木目をよく見てください。

作り出しですね。

台輪も鎌倉型で鎬（しのぎ）をとっていなくシンプルでいいですね。

茅葺型ですが、素晴らしい四脚門でした。このような四脚門を建ててみたいですね。

圓通寺の後は、茨城県に向いました。

続きは、後日のお楽しみに～。